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コンソーシアムについて

研究コンソーシアムについて

本コンソーシアムは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに設置された慶應義塾大学スSFC研究所の研究コンソーシアムの1つです。

研究コンソーシアムは、SFC研究所と複数の外部機関によって実施される共同研究の一種であり、その特徴は、大学が中心となって研究テーマを設定し、企業や国・地方自治体など外部機関に共同研究の実施を呼びかけ、「相互利益」を前提に大規模な課題に領域を超えて取り組む点にあります。従来の一対一の共同研究に比べ、広範囲に渡る総合的な研究を推進しています。

概要

名称

ヘルスケアデータ社会システムコンソーシアム

(英名 Life Intelligence System Consortium)

研究代表者

環境情報学部 教授 村井純

主な連携機関

  • 湘南慶育病院

設立の趣旨(2020年3月更新)

 我が国においては、高齢化の進展、医師の偏在等はすでに顕著化している課題であり、地域や環境に依存せずに国民が等しく質の高い医療サービスを受けるための環境整備は喫緊の課題である。内閣府が発行する平成29年度版高齢者白書によれば、我が国における65歳以上の高齢者人口は3,558万人であり、総人口にみる高齢化率は28.1%となっている。総人口が減少する中で高齢者人口、および高齢化率は上昇しており、2036年には高齢化率は33.1%と3人に1人となると見込まれている。一方で、少子化、女性の社会進出、働き方改革加速する現代社会の社会構造において、時間的な受診困難、機会損失による各種疾病の重症化等も大きな課題となっており、これまで以上に柔軟な医療サービスに対するニーズは非常に高い。

 こうした背景を受け、患者はいつでも・どこからでも医師の診療を受けられる環境を望み、医師が医療機関外の患者を遠隔からの診療を可能にする遠隔医療システムの普及展開が期待されている。遠隔医療システムはオンライン診療として期待されているものの、患者の状態を把握するための診断につながる事前問診の有無、センサやカメラなどの機器、ネットワーク環境の品質によって提供可能となるサービスの質と領域が異なる。よってIoT機器の最適な利活用が、現場の効率性、コスト削減や収益性の改善等に貢献するツールとして大きな期待が寄せられている。将来的には職場や公共施設、あるいは移動の途上での医療サービスの享受など、医師、患者、さらには患者の家族にとっても利便性の高い、時間や空間の制約を受けない医療サービスの展開も模索されている。例えば、患者の状態に合った診療予約、健康管理システム、診察履歴の共有などは、既存の医療現場の多くの課題を解決する糸口となる。また、IoT時台に個人の生活で生成されるあらゆるデータ(Person Generated Data)が、健康や医療に活用され、安心した社会を支える泉源となる近未来を見据え、プライバシーやセキュリティに配慮した情報流通・制御基板の整備は喫緊の課題である。これらの課題解決には、技術的な研究開発に加え既存医療現場における受容性や医療従事者の負担軽減に繋がる運用手法やルールの整備が求められる。

 そこで本コンソーシアムでは、人類が全て、意識せずに健やかに心豊かに生活できる社会インフラとしての情報流通基盤を共有していくことを目的とする。その目的を達成するために、進化する情報通信技術を用い、既存の医療を再定義し、次世代の安心した社会インフラとしての医療に資する技術を戦略的かつ総合的に研究開発を行う。同時に、次世代の社会インフラとして安定供給できる環境基盤として、サブスクリプションによる新医療サービスや発展途上国における新しい保険提供等、グローバルなサービス構築を推進していく。

 本コンソーシアムは、事業開発・臨床応用・研究分析・産学連携が一体となった活動を通じ、企業や自治体を含む様々な外部機関との連携・協力の元、基礎技術の研究開発を行う。さらに実証実験を通したエビデンスの蓄積ならびに普及展開プランの策定、さらには次世代電子カルテ基盤と連携される機器等についての規格化・標準化等を積極的に推進していく。

連絡先

lisc-contact(at)sfc.wide.ad.jp (at)を@としてください。